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2012年09月18日

これ、読んでもらえるとうれしい。『共存共栄』

こんばんわ。
徳之島のダイビング屋です。
きょうはまじめな記事なので読んでいただけるとうれしいかな。
今回の記事はけっして批判とか文句とかではなくて、徳之島の未来のために少しのアイデアを出しあって進んでいけば、一見うまくいかなそうな業種同士でも共存共栄できるのではないかなとおもうこと、、、、、、そんなかんじかな!?

ここ数日間、台風通過でいろいろお仕事も出来なかったので、たまのお休みを利用して、最近になってほんとに早めに手を打たないとまずいなと考えていた、ある『共存共栄』のご相談を、思い切ってある行政機関の皆様にアポイントをとらせていただいて、ご相談をさせていただきました。

いま、徳之島には2014年ぐらいに完成予定の農業用水用の大きな貯水ダム、“徳之島ダム”が作られています。このダムは大きな予算と雇用を生み出している、今の徳之島経済にとっても、これから先の農業の発展に関しても大きな効果を生み出しているものです。

このダムが最近の豪雨や台風の大雨によって貯水率があがり、赤土と、山土砂が溜まり、その水かさを下げるために放水を繰り返さなければなりません。とくに最近は大規模な放水が必要であったため、その放水後、近隣の海岸ではこんな現象が繰り返されています。

いつもの状態。

これ、読んでもらえるとうれしい。『共存共栄』


ダム放水後の状態。

これ、読んでもらえるとうれしい。『共存共栄』


そこで、、、、、、

このまま繰り返しているとこのウミガメたちのすむ場所がどのように変化していくのかはなんとなく想像できてしまう。。。。。

だからといって、ダムの建設自体にかんして云々とか、放水作業をしないでくれ、などは解決策のないおろかな相談だし、無駄な時間だし、共存共栄ではないから言うつもりも、考えもしない。

なので、誰も損をしない具体的な解決策をつくってみたかった。

ダム屋さんはダムの専門、僕らは海の専門、環境調査会社は数字データの専門、その専門家が集まって喧嘩するんじゃなくて、アイデアを出せばいいだけの話。と考えていたので、ダイビング屋という餅屋は餅屋のアイデアをどこまで真剣に聞き入れていただけるか、今回は歩み寄れると確信してお話をする機会をとっていただいた。

ダムの管轄は九州農政局さん。

で、ご相談内容の資料をまとめてご相談をしてみた。

これ、読んでもらえるとうれしい。『共存共栄』


簡単にまとめると、、、、、、

もちろんダムの放水作業とかには周辺の環境破壊に影響がないようにという名目で、環境アセスという工程があり、数字データで裏づけをしている。

まあ、この数字データと実際の自然環境はまったくといっていいほどリンクしないんよね。

だからといって、ぼくはダイビング屋であって、口うるさい環境保護論者ではないから、そういう観点からのヒステリックな相談だけはしたくない。

ただひとつ、このウミガメたちが泳ぐ海にもぐるのが楽しみで楽しみで、おかげさまで海夢居一軒だけでも外部からのお客さまが年間1200名前後はお越しいただいているという数字データ、そのお客さまたちが夜の徳之島の街で飲んだり、宿泊したりして、地元経済に貢献していただいている経済効果、それを生み出している宝の海が、環境アセスの結果だけの放水スケジュールでは守れないという事実。

で、、、、

ここは僕らの体で覚えた経験を、その環境アセスの数字データに付け加えていただいて、ダムの運営も、ダムの業者さんも、ぼくらダイビング屋も、夜の飲み屋も、宿泊業も、農業も、海の生物達も、、、全ての関わる人たちが損をしない解決策を提案させていただいた。

ものすごい簡単な提案だけど、海に入り続けているぼくらしか提案できない内容かもしれない。

これ、読んでもらえるとうれしい。『共存共栄』


まあ、なんのことかちょっとむずかしいと思いますが、、、、、

こんな感じです。

ダムの放水場所と、その周辺海域の潮汐流のながれ、方向、時間のずれの手書き資料を作ってみた。

めっちゃ適当な手書きだけど、めっちゃ正確です(笑)

これ、読んでもらえるとうれしい。『共存共栄』


徳之島に住んでいるみんなにしかわからんね。。。。。。

平土野から千間海岸(兼久)、秋利神、小原、犬田布岬にかけての海岸線と、満潮時、干潮時の潮の流れの向き。

実は環境アセスにはこういう潮汐流の流れとかは組み込まれていないんよね。

統計を取っているのはもっともっと大きな海流のデータだから、あんまりダムの放水で流れ出る赤土とかが、ある時間にある場所から放水されると、何時間でどのくらい拡散して、沿岸部に何時間ぐらいで沈殿して、堆積するのか。。。。。。そんな細かいことには役にたたないんよね。

でも、実際はそれが一番大事だったりする。

この海域、満潮から干潮に向かうときの流れ、ダムの放水箇所から、犬田布岬側に流れる。この流れはかなりはやくて、土砂が流れたとしても海底に落ちてしまう前に完全に外洋にながれて拡散されてしまう。

逆に干潮から満潮になるときの流れは放水場所からの土砂は千間海岸、平土野方向に運ばれて、そこはわずかに湾になっているからそこに溜まって沈殿する。

つまり、今現在は、単純に夜間にダムの作業がない時間に放水をするというスケジュールを、潮流の方向を考慮して、外洋に一気に流れていく放水時間のスケジュール調整をお願いできればダムも安全を確保できるし、環境も守れるし、ここを潜るのを楽しみに徳之島に来ていただけるお客様も満足するし、そのお客様がもたらす経済効果も継続できる。

実際のところ、わざわざちっぽけなダイビング屋のご相談に、農政局のかたは4名もご参加いただいて、真剣に相談にのっていただいた。感謝感謝&感動しました。

実際に話し合いに参加していただいた農政局の方々は、放水作業などを管轄している方々でしたが、1日に何回の満潮、干潮があるのかも、周辺の潮汐流の方向が変わることも、放水前と放水後の海の中がこんなにもちがうことも全く知らなかった。

これは当然だと思うし、文句を言う気も、勉強をしてほしいとも全く思っていない。だって、専門外だから、その部分はそれに詳しい僕らがアイデアを出して、お互い助け合って解決していく体制をつくればいいだけのこと。

みんなが自分の利益だけのために話をしているから世の中けんかになる。

お互いが、相手の利益も確保しながら自分の利益もを確保しようとすればいい解決策がかならずできるもんなんだよな、、、、世の中って。

人のためのことをしてれば、結局は自分のためになるのが不思議だ。。。。

農政局の方からいただいた答えは、、、、

「もちろん、ぼくらも環境を破壊しないで、徳之島のためになるダムを作りたいし、そうやって運営したい」

「たしかに、こんな潮流を考えてスケジュール組みができるなんて気づかなかった、すぐに専門部署で話をして結果をお伝えします」

なんか感動したよ。

それから1時間後には、もうちょっと詳しく知りたいところが出てきまして、、、、、って電話までいただいた。

まあ、誰かのためっていうより、今回は徳之島の経済全体のことを考えて農政局の皆様とお話をした。

人間ってこれだから面白い。

やっぱいい島だ。徳之島。



長文、最後まで読んでいただいておぼらだれんっ!!!m(u_u)m




徳之島のダイビング屋より。





Posted by KAMUI at 22:31│Comments(5)
この記事へのコメント
 こんなに真剣に島の環境を考えて実践しようとしくれている方が居るって本当に嬉しいです!!!
 
 これからもがんばってください応援しています。
Posted by Ednozomi at 2012年09月18日 23:41
これからの事業は地域環境との共存が必要です。
国の調査だけでなく、気が付けば自分達の環境を守る視点から
自分で動くことが必要だと思います。
 一度だけ徳之島でダイビングをさしていただきました
また行きたいと思います(土砂降りのひもありましたが・・)
 自分はたいしたことはできませんが、応援しています
皆で綺麗な徳之島を維持できたらうれしいですね
Posted by こういち at 2012年09月19日 07:57
コメントありがとです。いろいろむずかしいこと考えると疲れるし、苦手だし、一人でできることなんてちっぽけだし、とりあえず動いてみると世の中うまくいくもんやしね。
Posted by KAMUIKAMUI at 2012年09月19日 21:01
徳之島ダムの件、読ませていただきました。私は東京で環境調査業を生業としています。環境アセスの結果を見ていないので、いい加減なことは言えませんが、恐らく四半期毎に1週か2週の間施工前、中、後の環境データを取り、まとめたものでしょう。シュミレーションした結果なども記載されているかもしれませんね。海への環境影響は非常に興味を持たせてくれます。私は現在、大気や石綿を専門としているので海洋環境は詳しくありませんが。これを機会に情報を見て勉強したいと思います。
私は真鶴の海でダイビングを覚えました。まだまだ半人前ですが、できれば徳之島にも訪れたい。その時には少しは海の環境に詳しくなっていたいです。
これからも活動頑張ってください。私もがんばります。
Posted by koide at 2012年09月19日 21:02
koideさん、はじめまして!
環境調査業のかたからコメントいただけてうれしいかぎりでっす!

世の中で起こってることはぜんぶいいこともあれば悪いこともある、そのいいことがAさんからみたらそのまんまいいことで、おんなじことをBさんが見たら悪いことだったりするし、何が正しくて何が間違ってるってのはないからこんな解決方法がいいのかな~なんておもってます(笑)

ぜひぜひ徳之島にお越しの際はお会いしたいですね~
Posted by KAMUI at 2012年09月28日 11:25
 
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